2003.04.17
Tea Break -社長ブログ-
おいしさの二重奏 (絶対的美味しさと相対的美味しさ)
(17,apr,2003)
以前、TVコマーシャルで乳業メーカーの「♪おいしい顔ってどんな顔~♪パンにはやっぱり~♪」という歌をよく耳にし、子供たちの無邪気な笑顔が溢れていたのを今でも覚えています。
食品を取り巻く世界には、「おいしい」という言葉が氾濫していますが、いざ「おいしさ」を定義しようと思うと、案外むずかしいことですね。
「おいしさ」には、「味」や「香り」、また「食感」や「見た目の良さ」など、私たちの五感を心地よくしてくれる部分と、「誰と食べるか」「どのような体調や精神状態で食べるか」「どのような環境の下で食べるか」などによって大きく左右される部分とがあるように思います。
サブタイトルに、「絶対的美味しさ」と「相対的おいしさ」などと知ったかぶりな文言を書きましたが、このような表現が正しいかどうかは別にして、「おいしさ」について、少し考えてみたいと思います。
と言っても、アカデミックな内容は専門書にお任せするとして、ここでは普段何気なく交わされる会話の中に「おいしさ」の本質(?)を探してみたいと思います。
「緊張していて、食べ物がのどを通らなくて、どんな味だかよくわからなかったわ。」
「形は不揃いだったけど、朝早く起きて一所懸命につくってくれた彼女の気持ちが感じられて、本当においしいおにぎりだったよ。」
「今日、社長に連れられて有名なフレンチレストランでご馳走になったんだけど、確かにおいしかったなぁ。でもさぁ、家でこうして寛いで食べるお茶漬けの方がおいしいかも…。」
「ここの『醤油とんこつ』は絶品だぜ!週に3日は食べても飽きないよ。けどよく考えてみると、ここひと月ほど食べに来てないなぁ。」
「ただいま~!お母さん、何か食べるものない?お腹ぺこぺこだよ。あっ、煮込みハンバーグ… おいしーい、昨日のとは比べものにならないね。デパ地下で買ってきたの?」「あら、それ昨日のハンバーグを、同じデミグラスソースで煮込んだだけなのよ…。」
「このケーキ、お店で食べた時はすごくおいしかったんだけど…テイクアウト品はモノが違うのかなぁ?あまり大したことないね。」
「急にどうしたの?お箸止まってるわよ。」「うん、いま流れてる曲さぁ、ショパンのノクターンなんだけど、昔好きだった娘がよく弾いてたんだよなあ。」「ふーん…てんぷら冷めちゃうわよ。早く食べなさいよぉ。」「えっ、中学生の時だよ、中学一年生!」
「ねぇ、ここの広東料理いけるでしょ。でもランチとディナーは内容を変えているのかしら…。初めて彼に連れてきてもらった時は、もっとおいしかったような気がする…。」
(隣で同僚のB子が心の中で呟く、「彼ときれいな夜景を見ながら、楽しい会話が弾んだんだもの、おいしいに決まってるじゃない。」)
「今日お父さん帰ってきたの?久しぶりの家族団欒ね。やっぱりみんなでお鍋を突っつくのっておいしいわねぇ。」
「おいしさ」を感じる「Heart」ってデリケートなんですね…。
今日はこの辺りでpausa…